相続の流れ

被相続人の死亡

 相続は、被相続人の死亡の事実にって当然に開始します(民法882条)。相続人が被相続人の死亡を知っていたか、あるいは死亡届が知恵出されているか等の事情は問題となりません。
 相続の開始原因としての「死亡」には、自然な死亡に加え、失踪宣告(民法30条、31条)や認定死亡(戸籍法89条)といった法律上の死亡も含まれます。

遺言の確認

 遺言が存在する場合、原則として遺言通り相続されます。遺言の種類としては普通方式の遺言に属する自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言と、特別方式の遺言があります。
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・検認の手続
 検認とは、相続人に対し遺言の存在・内容を認識させ、遺言書の現状を明らかにして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。
 公正証書遺言以外の遺言については家庭裁判所による検認の手続を経る必要があり、遺言の保管者及び遺言を発見した相続人は、相続開始後直ちに家庭裁判所に検認の審判を請求すべきことが義務付けられています(民法1004条1項)。

・開封の手続
 封印がされている遺言書については、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ開封することができません(民法1004条3項)。勝手に開封うされると遺言者の真意を確保することが困難になるからです。

・検認・開封の手続違反に対する制裁
 検認が必要な遺言書の家庭裁判所への提出を怠ったり、検認を経ないまま遺言書を執行し、又は家庭裁判所以外で封印のある遺言書を開封した場合、5万円以下の過料に処せられてしまいます(民法1005条)。
 遺言書に必要な手続は法律に従って適切に履践されなければなりません。

相続人及び相続財産の調査

 相続財産を各相続人に分配する前提として、相続財産及び相続人の調査を行わなければなりません。
 ▸相続財産の範囲及び相続人の範囲について詳しくはこちら

・相続財産(遺産)の調査 
 遺産の大部分を占めるのは不動産と預貯金です。具体的な調査方法としては、不動産については名寄帳(固定資産課税台帳)を取得することなどにより、また預貯金については各金融機関に問い合わせるなどの方法があります。
 また、遺産については不動産や預貯金等のプラスの財産だけでなくマイナスの財産についても調査する必要があります。負債の調査は、信用情報機関に問い合わせることなどにより調べることができます。

・相続人の調査
 相続人については、戸籍等を取得して調べることになります。

・遺産の脱漏、一部の相続人の不参加
 遺産分割協議の後に遺産の一部脱漏があった場合、原則として既にされた協議が無効となることはありませんが、さらなる分割協議が必要となり、また場合によっては既にされた分割協議が無効となってしまう場合がります。
 また、遺産分割は全ての共同相続人が参加して行わなければならず、遺産分割協議後に他に相続人の存在が発覚するなどして既に完了した遺産分割協議に一部の相続人が参加していなかったことが発覚した場合、その遺産分割協議は原則として無効となってしまいます。
 このような事態の発生を回避するため、遺産及び相続人の調査は慎重かる確実に行う必要があります。

相続の承認・放棄

 相続人は、相続の開始を知った時から3か月の熟慮期間(民法915条1項。家庭裁判所に対し期間の伸張を請求できる)の経過前に、単純承認、限定承認、又は相続放棄の意思表示を行う必要があります。
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遺産分割協議

 相続人間で協議を行い全員の合意によって遺産を分割する手続を遺産分割協議といいます。
 他に相続人間の協議が整わない場合には、調停による分割又は審判による分割の方法をとることができます。
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