Q&A

Q,遺産相続でもめています。遺言書があるのですが、公正証書で作ったものでなくとも、効力はあるのですか?

A,公正証書で作られたものでなくとも効力はあります。
 ただし、公正証書でない遺言書の場合、偽造されたものでないか、遺言者が遺言書を作った時に意思能力がなかったのではないか、遺言書は無理矢理作らされたものではないか等が争いになることが多いです。

Q,兄が父の遺産を独り占めしています。たしかに、遺言書には、全財産を兄に相続させると書いてありましたが、理不尽だと思っています。兄が全財産を独り占めすることは法的に認められるのでしょうか?

A,一定の相続人には遺留分が認められています。ですので、遺留分減殺請求権を行使すれば、一定の限度で一部の相続財産を取得することは可能です。
 もっとも、遺留分減殺請求権が行使できる期間には制限がありますので、遺留分減殺請求権を行使する場合は、早めに行使した方がよいと思われます。
 なお、民法1042条は、「減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から10年を経過したときも、同様とする。」と定めています。

Q,母が亡くなる直前に、母と同居の長男が、母の銀行口座から何百万円も出金していたのではないかと私は疑っています。調査する方法はありますか?どうすればいいでしょうか?

A,調査する方法はあります。
 お母様の承諾のもとに出金したのか等の事情によりますが、出金者に対して法的な請求をすることができる可能性があります。
 私は、同種の事件をこれまで3件受任して取り扱った経験があり、また、多くのご相談も受けてきましたが、証明できるか否かの問題もありますので、詳しくは法律相談をご予約ください。

Q,私も高齢になってきました。子ども達があとでもめないように遺言書を書こうと思うのですが、遺言書の書き方の相談にのってもらえますか?弁護士さんは、私が死んだ後の相続争いについて仕事をするだけなのですか?

A,もちろん、遺言書の書き方のご相談も承っております。
 弁護士は、相続争いが発生してから仕事をするだけではありません。また、遺言内容を実現するため、遺言執行者に就任することも可能です。
 遺言者があるために争いになる事案もありますが、むしろ、遺言書がないために争いが起こることの方が多いと思います。
 ですので、私は、「遺言書は、人生最後の親心で作るもの」と考えています。

Q,母に遺言書を書いてもらいました。私に自宅不動産を相続させるという遺言なのですが、遺言書で登記することはできますか?

A,遺言書が公証役場で作った公正証書遺言であれば、公正証書遺言を使って登記をすることができます。
 そうではなく、自筆のもの(自筆証書遺言)の場合、家庭裁判所で検認手続をする必要があります。
 家庭裁判所で検認手続をすると、自筆証書遺言書に検認調書を付けてもらえます。
 この検認調書付きの自筆証書遺言書で登記をすることができます。
 検認手続のみのご依頼も可能ですし、登記をする司法書士のご紹介もしています。お気軽にご相談ください。

Q,父が死亡しましたが、長らく音信不通で、どの程度債務があるか分かりません。亡父は不動産を所有していたので、相続したいのですが、多額の借金があるかもしれないと思うと、相続するのは恐ろしく、放棄してしまうことも考えています。どうしたら良いでしょうか?

A,相続の限定承認をする方法があります。
 お父様の残した財産の範囲で負債を引き継ぐので、「損」はしません。
 また、多額の負債があることが判明したとしても、限定承認者には、先買権があるので、不動産の時間相当額を払えば、お父様の不動産を競売手続によらずに取得することができます。
 限定承認するためには、色々な要件があり、また、3ヶ月の期間制限があるので、なるべく早めにご相談にいらしてください。被相続人の債務を調べるノウハウもお教えします。

Q,父が死亡しましたが、長らく音信不通だったため、死後4ヶ月経ってから、死亡を知りました。相続放棄や限定承認の期間制限は3ヶ月ということですが、死後3ヶ月以上経っているので、もう相続放棄や限定承認することはできないのですか?

A,期間制限は、「死後」3ヶ月というわけではありません。「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月です。ですので、相続放棄や限定承認をすることは可能です。さらに、「自己のために相続の開始があったことを知った時」を柔軟に解釈する判例もあり、また、期間を伸ばす手続もあります。
 もっとも、相続財産の一部を処分したりすると、相続放棄や限定承認することができなくなるので、注意が必要です。
 相続放棄や限定承認をお考えの方は、早期にご相談にいらしてください。

Q,父が死亡しましたが、兄弟とは長らく音信不通で、兄弟が今どこにいるのか全く分からず、電話番号も分かりません。不動産等の財産があり遺産分割をしたいのですが、どうすればよいですか?

A,弁護士が職務上請求をして、そのご兄弟の住民票や戸籍の附票を取得して、兄弟の現住所を割り出すことができます。
 しかし、ご兄弟が住民票上の住所には住んでおらず、郵便物等も届かない状態のため行方不明の場合は、裁判所に不在者財産管理人を選任してもらい、不在者財産管理人を遺産分割の当事者として遺産分割を行う方法があります。

Q、預貯金と現金は、相続人にどのように相続されますか?

A、
1 現金について
現金は、いわゆるモノと同様に扱われます。そのため、各相続人の相続分に従って当然に分割して相続されるのではなく、遺産分割の手続を経て相続されます。
2 預貯金について
平成28年12月19日(最大決平成28年12月19日(家判9号6頁))に最高裁決定が出て、従来の判例が変更されました。平成29年4月6日の最高裁判決(最一小判平成29年4月6日(家判11号66頁))も合わせると、以下のとおりと考えられます。
普通預金、通常貯金、定期貯金、定期預金、定期積金については、各相続人の相続分に従って当然に分割して相続されるのではなく、遺産分割の手続を経て相続されます。
そして、定額貯金、当座預金、別段預金についても、同様であると考えられています。
なお、判例変更される前は、預貯金は、各相続人の相続分に従って当然に分割して相続されると解釈されており、例外として、相続人全員が遺産分割の対象とすることについて同意をした場合には、遺産分割協議の対象とすることができるとされていました。

Q,相続はいつから開始するものですか?

A,相続が開始するのは、被相続人の死亡時となります。
相続の開始となる死亡には、①自然的な死亡②失踪宣告といった法律上の死亡も含まれます。詳しくは、以下の通りです。
①自然的死亡の場合…医師が死亡と診断した時点で、死亡届出時ではないので注意が必要です。
②失踪宣告の場合…普通失踪については、最後にその人の所在が確認できる日から7年間の期間が満了した日に死亡したものとみなされます。
※生死不明というのではなく、死亡したのは確実といえるのですが、死体の発見ができないという場合には、その取り調べを行った官公署が死亡地の地区村長に死亡の報告をし、戸籍上死亡という記載がなされる「認定死亡」というものもあります。

Q,父が亡くなりました。親戚や友人から借り入れがあったようなので相続放棄をしたいのですが、お墓の管理はどうなりますか?

A,お墓などの祭祀財産は、相続財産には含まれません。なので、相続放棄をした場合でも、お墓を引き継いで管理していくことには、何の問題もありません。

Q.遺産である不動産から生じる賃料収入は遺産分割を経なければ相続人は自分の取り分の分配を受けることができないのでしょうか?

A.相続開始から遺産分割までの間に、遺産である不動産から生じる収入は、遺産分割の対象とはならず、発生と同時に相続分に応じて各共同相続人に確定的に帰属するという考え方が平成17年9月8日の最高裁判決により明確にされました。
そのため、被相続人死亡後に生じた賃料は、その不動産の帰属が遺産分割等で決まるまでの間は、遺産分割を経なくても、各相続人に相続分に応じて帰属します。
 相続分に応じた額の支払いを賃借人に請求することもできますし、他の相続人が自己の相続分に対応する額を受領した場合は、その相続人に対し自己の相続分に対応する額の支払いを請求することもできます。
そして、不動産の帰属が、後日、遺産分割によって決まったとしても、不動産を得られなかった相続人が不動産を得た相続人に対して、賃料を返還する必要はありません。
 また、実務上は、遺産の分割の対象ではない賃料収入等についても相続人全員の合意により遺産分割の対象とするという取扱いがされることもあり、前述の最高裁判決もこの取り扱いを否定するものではないと考えられています。そのため、共同相続人全員の合意により遺産分割手続を経て賃料の配分を受けるという方法をとることもできます。

Q.遺言者が負っていた特定の債務を特定の相続人に相続させる旨の遺言がなされ,遺言執行者が選任されました。しかし,遺言執行者が債務の弁済に必要な措置をとってくれません。遺言者の債権者は,遺言執行者を被告として訴訟を提起して,債務を回収することはできますか。

A.東京高裁平成15年9月24日判決(金法1712号77頁)は、「遺言の中に相続債務を特定の相続人に相続させる文言がある以上、遺言執行者にこれを執行するための処置を構ずべき権限及び義務があると解される」と判示し、遺言者の債権者が、遺言執行者を被告として、遺言者が負担していた債務の履行を求める訴訟を提起できると判断しています。
この東京高裁判決によれば、遺言の中に相続債務を特定の相続人に相続させる文言がある場合は、遺言執行者に被告適格があることになります。

Q.父が遺言を残していたのですが,遺言書の文面が曖昧で内容が一義的でありません。そのような遺言書を解釈するために,遺言外の事情を用いることが許されるのでしょうか?

A.遺言書の解釈に際しては,遺言書の文言だけでなく,遺言以外の諸事情を遺言者の真意の探求のための資料として利用することが認められます。
 しかし,遺言書の文言からかけはなれた解釈をし,遺言の意味内容を実質的に修正するようなことは,許されません。

Q.先日父が死亡しました。父からは,私に有利な遺言書を作っていたと聞いていました。しかし,遺言書は見つかりません。おそらく,父と同居していた私の兄が遺言書を隠したのだと思います。そのような兄に相続分は認められますか。

A.最高裁平成9年1月28日判決は、遺言を隠匿したことだけではなく、それによって不当な利益を得る目的があったことが認められなければ,相続欠格事由には該当しない旨を判示しました。
 そのため,同居していた兄に,遺言を隠匿することによって不当な利益を得る目的が認められないと,兄に相続分が認められてしまうことになります。

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